シンポジウムのご紹介

目的と意義

伊豆大島三原山では先の噴火から30年が経過し、次の噴火について考え・準備しておく必要のある時期になっています。 1986年の噴火では爆発的な噴火が発生し、また、カルデラ底や更にはカルデラの外など、思いもかけない地点での活動になりました。 そのため、噴火地点には近寄ることができず、噴火現象の科学的理解や災害軽減のための貴重なデータを調査観測する機会を逸しました。 このような状況をもたらした理由の一つとして適切な観測技術の未発達が挙げられます。 従って、次の機会には、貴重なデータを観測する態勢を十分に構築しておく必要があると考えられ、とりわけ遠隔操作、無人、不整地走行など の要素を重視した新しい観測用移動体の開発とそれに基づく機動的な対応が望まれます。このような移動体は特に宇宙研究分野で進展しており、 火山分野における技術開発に対しても貴重な経験を与えてくれるはずです。 一方、宇宙分野では実際の火山などにおけるフィールド実験の経験が乏しく、火山と宇宙との両分野が協力することによってお互いに格段の進展が図られるはずです。 本シンポジウムは、このようなことを念頭において企画されております。 噴火まであまり時間が残されていないかも知れない今日、宇宙探査や、地球環境計測など、さまざまな分野から、無人観測車(UGV)や無人観測飛行機(UAV) を開発しているグループが伊豆大島に集まり、火山地形での運用実証試験を行いつつ情報交換することで、次の伊豆大島噴火に間に合うように、 火山防災や火山活動観測に本当に役に立つロボットと実質的な運用態勢を短年月で完成させることをめざしています。

これまでのシンポジウム

 2009年度の第1回シンポジウムは、台風の接近により、充分な実証試験はできませんでしたが、多くのチームにご参加いただき、 有意義な情報交換の場となりました。2010年度は、天候の影響を回避できるよう、試験期間を長く取り、コア日程の前後の実証試験日程は、 チームそれぞれが自由に設定できるようにしました。 また、一般の見学者が裏砂漠で見学するのは困難と判断し、コア日程二日目に伊豆大島温泉ホテル駐車場にデモ大会を設定しました。さらに、アウトリーチ活動として、 工業高等専門学校や大学の観測移動体をつくっている学生チームに、火山フィールドで動かす体験をする場を提供しました。 第3回、第4回と回を重ねて、実証試験とコア日程講演会を組み合わせるスタイルが定着し、参加台数では世界でも類をみない火山観測ロボット実証試験大会へと 成長しました。第3回までの成果をまとめて、日本惑星科学会の学会誌「遊星人」に2号にわったって特集号を組まさせていただき、多数の論文を 発表しました。第4回(2012)では大島町の公民館に、第7回(2015)では大島高校学校祭会場に、ロボットを集め、住民のみなさまにロボットを観たり触ったりしていただくデモ大会を 開催しました。第5回以降は、近日おこるかもしれない大島噴火に備えた、より具体的な開発や運用実験を行うシンポジウムを心がけております。 (過去のシンポジウムの詳細は、リンクのページをご覧下さい)

シンポジウム実行委員会

参加者手作りのシンポジウムなので実行委員会は大学等研究機関からの実証試験参加グループ代表者で構成されます。
    2016年度のメンバーは以下のようになっております。
     委員長
      石上 玄也(慶應義塾大学)
     事務局
      佐伯和人(大阪大学)
     委員 (所属名五十音順)
      松島 健 (九州大学)
      國井 康晴(中央大学)
      永谷 圭司(東北大学)
      三河 正彦(筑波大学)